Q1 病院のくすりと街の薬局で売られているくすりの違いは?
A1 街の薬局や薬店で売られているくすり(大衆薬)は、誰でも自由に買うことができ、軽いかぜや小さなケガなどのときに、その症状を自分で判断して使えるくすりです。一方、病院でもらうくすり(医療用医薬品)は、医師が患者さん一人ひとりを診察し、病気やケガの程度を考えて、その時の症状に最も適したくすりを選んだ、その人専用のくすりなのです。患者さんの体質・体力・年齢を考慮し、くすりの種類や量を調節して処方されています。
Q2 有効期限と使用期限について 
薬局で購入した薬は、何年ぐらい使ってもいいのでしょうか?
A2 1.有効期限又は使用期限の記載のあるもの 
有効期限や使用期限は、製品を開封しないで指定された保存条件下においた場合に品質が保証される期限をあらわします。開封後の品質まで保証するものではありません。いったん開封しますと、購入した方の保存条件や使い方で品質への影響が大きく変化するため、開封後の期限まで一律に決めることができません。 
しかし、しっかり栓をして、湿度の低い、冷暗所に適切に保存すれば、それらの期限が使用可能な期限の目安にはなると思います。 
2.有効期限又は使用期限の記載のないもの 
この場合は、製品を開封しないで指定された保存条件下においた場合に品質が製造から最低3年は保証される医薬品です。これも、1の場合と同様の理由から開封後の品質まで保証するものではありません。
しかし、しっかり栓をして、湿度の低い、冷暗所に適切に保存した場合、製造日から3年が使用可能な目安にはなると思います。 
一般的には、上記のように判断する以外にありませんが、目安の期限内であっても外見上なんらかの変化が認められるときには、ご使用にならない方が良いと思います。一度手にとった錠剤を瓶に返すと錠剤にカビがはえたり、目薬を使うときに液の出口に目や手に付けたりしますと微生物が液中に入り、繁殖して浮游物が現われたりします。
ただし、医師から処方された医薬品の場合には、この限りではありません。原則として、薬を飲む必要がなくなった時点で廃棄していただきたいと思います。 

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より

Q3 くすりの保管で気をつけることは?
A3 くすりはすべてくすり箱(救急箱)に入れておいた方が良いと思われがちですが、種類によって、保管の仕方が違います。
1 高温・湿気・日光を避けて保管。
2 坐剤・シロップ剤は冷蔵庫に保管。
3 子供の手の届かない場所に保管。
4 古くなった薬は使用しない。購入時期や有効期限を記載して保管。
5 他の容器に移しかえないこと。
 

Q4 くすりの相互作用(のみ合わせ)とは?
A4 2種類以上のくすりを同時に使用した場合、くすりとくすりがお互いに影響しあって、くすりの効き目が変化することがあります。また、単独で使用した場合は現れない副作用が現れることもあります。これを「くすりの相互作用」といいます。服用するくすりの種類が多くなればなるほど、くすりとくすりの相互作用は起こりやすくなります。
くすりを何種類ものむときは、副作用や相互作用を防止するためにも他の病院・診療科でもらっているくすりを診察の際に医師に見せる(報告する)ことが非常に大事なこととなります。市販のくすりを服用していても同様です。
Q5 くすりと食べ物にも相互作用はありますか?
A5 食べ物によってくすりの作用が影響を受ける組み合わせがあります。例えば、
1. ワルファリン(血栓を防ぐくすり)と納豆
ワルファリンの作用が弱められます。
2.カルシウム拮抗剤(血圧を下げるくすり)とグレープフルーツジュース
血圧を下げる作用が強まります。
3.テオフィリン(喘息のくすり)とタバコ…など
テオフィリンの作用が弱められます。
これらは、同時に摂取するとすぐに危険な状態になる、ということではありませんが、「くすりによっては注意を要する食べ物がある」ということを覚えておき、くすりを受け取ったら、注意すべき食べ物や飲み物を薬剤師に確認しておきましょう。また、くすりとアルコールの相性はとても悪いので、くすりを飲んでいるときは、できればお酒は我慢してください。
Q6 食間とは
「食間」と指示されたのですが、いつくすりを飲めば良いのですか? 
A6 「食間」とは、食事をとってから約2時間が経過した時期を指します。決して食事中に服用するという意味ではありません。食事と食事の間のことですので、間違わないようにして下さい。 
この服用時間は薬の性質に基づき決められますので、定められた時間に飲まないと効果が弱められたり、不都合を生じたりします。 
例えば、胃に食物がない時に服用したほうが効果的である漢方薬などでは、この「食間」服用が指示されることがよくありますが、アスピリンのように胃に負担をかける薬を「食間」に服用しますと胃の調子が悪くなる方もあります。また、利尿剤は、しばしば朝食後に服用するよう指示されますが、それを就寝前に服用すると、夜中にトイレに何回も起きなければならなってしまいます。 
服用時間はしっかり守って下さい。
「食前」とは、食事の約30分前
「食後」とは、食事の約30分後
「食間」とは、食事の約2時間後

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より

 

Q7 薬歴という言葉を耳にしましたが,何のことでしょうか。 
A7 医師が患者さんごとにカルテを作るのと同じように,薬局でも来局された方それぞれに,体質や今までくすりや食べ物でアレルギーを起こしたことがないか,あるいは,これまでどんなくすりを飲んでいたか等を伺い,その情報を記録しています。これが「薬歴」と呼ばれるもので,くすりを正しく安全にそして効果的に使っていただくためには是非必要な記録です。
薬剤師は,処方せんを受けつけたり大衆薬を販売する時など,この記録を参考にして,例えば別の病院から既に同じようなくすりが処方されていないか,アレルギーを起こすようなくすりは含まれていないか等を確認することができます。もし問題が発見されると,処方医に連絡し処方内容を検討してもらったり,普段あまり気にせず服用している一般用医薬品との飲み合わせもチェックできるなど,薬歴はとても大切な記録です。
薬局へ行くと,薬剤師があれこれとお聞きしますが,くすりを安全に使うための必要な記録となりますので,面倒がらず質問にはつつみ隠さず答えて下さい。
もちろん,お聞きしたことは個人のプライバシーに関わる問題ですから,あなたの了解を得ずにむやみに他人にもらすことはありません。

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より 

Q8 解熱剤が効かないとき、どれくらい間隔をあけて使用すればよいですか?
A8 一般的には「効かない」といってすぐに使用せず、少なくとも3〜4時間ぐらいは間隔をあけた方がよいといわれています。解熱剤を使用する場合、次の体温を目安として使用してください。
大人の場合:平熱+1℃
平熱がわからない場合:38℃
小児の場合:38.5℃
特に小児と老人は、必要以上に解熱剤を使用すると、低体温(体温の下がりすぎ)からショックを起こすこともあります。
Q9 おくすりで尿の色が変わることがありますか?
A9

たいていの場合は心配いりませんが、抗アレルギー剤や抗菌剤などで時には副作用の結果として尿の色が変わることもあります。尿の色調が変わったときには一度くすりを処方した医師か調剤した薬剤師にご確認ください。

薬効
成分
色調
鎮咳去痰剤 ヒベンズ酸チペピジジン 赤色
下剤 センナ 黄褐色〜赤色
(尿がアルカリの時)
糖尿病性末梢神経障害用剤 エバルレスタット 黄褐色〜赤色
抗パーキンソン剤 レボドバ 黒色
骨格筋弛緩剤 クロルゾキサン 橙色
ビタミンB2剤 リボフラビン 黄色
 

Q10 「まれに発疹が出る」とはどれくらいの頻度をいうのですか?
A10 とかく気になる副作用ですが、副作用には出る場合と出ない場合があります。どの程度の頻度で出るのかを表すのに「まれに」とか「ときに」という表現を使っています。
具体的には、「まれに」とは1,000人に1人よりも少なく(0.1%未満)、「ときに」は1,000人に1人から100人に5人(0.1〜5%)くらいの頻度(確率)で副作用が発現する、ということです。
Q11 赤ちゃんが薬を飲まないのですが、上手に飲ませる方法はありますか?
A11 赤ちゃんが薬を飲まないときには、少量のアイスクリームに混ぜ込んで与えると以外に簡単に飲んでくれます。試してみて下さい。冷たい舌ざわりが薬の嫌な味を消してくれます。 
この他、できるだけ少量の砂糖水やジュースに溶かして与えてもいいと思います。 
しかし、ミルクに混ぜることは止めましょう。ミルクでいやな経験をしますと、ミルク嫌いになってしまうことがあります。 
また、アイスクリーム、砂糖水、ジュースに混ぜるとき、あまり多くの量で溶かしますと、飲み残しが出て治療に必要な量を飲ますことができなくなります。ご注意下さい。 
しかし、このようにだましながら飲ませるのは、聞分けができないときまでで、聞分けができるようになれば、だまして飲ますようなことはなるべく避けましょう。できる限り、病気を治すために薬を飲まなければならないことを納得させることが大切です。

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より

Q12 下剤の連用について 
慢性の便秘のため市販の下剤を常用しているのですが,どうも飲まないと調子が良くありません。このままずっと服用していって問題はないですか。
A12 下剤は,作用の強さによって峻下剤と緩下剤に分けられます。一般用医薬品(OTC)では,主に作用の穏やかな後者が用いられます。また,作用の仕方によって,次のように大別されます。
1. 塩類下剤 ・酸化マグネシウムなど。腸内で難溶性の塩となって浸透圧を上げ,水分を腸管内容物に吸収して緩下作用を示す。
2. 膨脹性下剤
浸潤性下剤
・カルボキシメチルセルロースなど。腸内で水分を吸収して膨らみ,便の容積を増やし,腸壁に物理的刺激を与えて緩下作用を示す。
3. 刺激性下剤
(小腸刺激性:ヒマシ油
大腸刺激性:センナなど)
・腸管を刺激して運動を促進し緩下作用を示す。
下剤には,長期間連用すると,習慣性が生じたり,腸管粘膜に炎症を起こしたり,下痢が持続したり,小腸の消化吸収を妨げたり,高マグネシウム血症の生じたりといった副作用を生じる成分を含むものがあります。また,婦人の場合,月経時の経血量を増す可能性のあるものもあります。
 便秘が長期間改善されない時は,これらの副作用が心配ですし,何か他の障害の可能性も疑われます。他に常用しているくすりがあるならば,そのくすりの副作用であるかもしれません。今常用しているくすりについて,薬剤師に相談して下さい。そして,くすりだけに頼らず,食事や生活習慣にも気を使って,排便を習慣づける努力をして下さい。

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より

 

Q13 睡眠剤や抗不安剤の離脱について 
睡眠剤や抗不安剤といったくすりを長期間服用した後,急に止めるのは良くないといわれますが,それはなぜですか。
A13 くすりのなかには,長く飲み続けた後,体がそのくすりに慣れてしまい急に服用を止めると体の調子がかえって悪くなってしまうものがあります。 
睡眠剤や抗不安剤もこの種のくすりで,服用を急に減量したり,中断しますと,神経が過敏になったり,不眠,不安,幻覚等の重い症状が現れることがあります。
長期間服用した後に,くすりを中止する際には必ず処方医の指導を受けて下さい。

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より 

Q14 妊婦の解熱鎮痛剤の使用について 
妊娠中ですが,ひどい頭痛のため市販の鎮痛薬を服用したいと思いますが,胎児への影響はないでしょうか。
A14 頭痛は,妊婦にありがちな症状の1つですが,時には妊娠中毒など重大な疾患が隠されていることがあり,注意が必要です。自己判断でくすりを飲まずに,産婦人科医に相談するのが良いと思います。
くすりは,本来,体に何らかの作用を持つものですから,奇形を起こすことはなくても,胎盤を通って胎児の血液の中に入ると何らかの影響を及ぼすと考えられます。そこで,母体にどうしても治療が必要な場合には,なるべく安全なくすりを短期間のみ使い胎児への影響を最小限に抑えるようにします。
現在,妊婦に比較的安全な鎮痛剤としては,アセトアミノフェンが使われるようです。もし,間に合わせに使われるのであれば,アセトアミノフェンを成分とする鎮痛剤を飲まれてみては如何でしょうか。 

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より

Q15 男性がくすりを服用した場合の妊娠への影響について 
A15 男性が服用したくすりで,胎児に異常をもたらす可能性が指摘されている薬剤としては,乾癬等の治療薬であるエトレチナートと痛風治療薬のコルヒチンがあります。
どのようなくすりか分かりませんが,この2つのくすりを飲んでいる場合には,処方医に相談して下さい。その他のくすりによる影響は,心配ないと思います。 

「薬局相談事例集2」日本薬剤師会編(薬事日報社)より 

 

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