薬物乱用こうなるまえに
 
乱用の弊害

乱用薬物の特徴とその害

Q

覚醒剤や麻薬(アヘン)の恐ろしさについては、聞いたことがありますが、種類によっては、さほど危険でない薬物もあるんじゃないですか。大麻(マリファナ)やシンナーなどは、騒ぐほどの害はないと思いますが。

A 安全な乱用薬物などありません。症状や特徴はそれぞれ異なっても、どれも心身をボロボロになるまで健康をむしばみます。

覚せい剤

覚醒剤

一般的にアンフェタミン、メタンフェタミンの2種類を指します。主に静脈注射によって摂取され、一時的に気分が高揚し、自信が増し、疲労感が取れたように感じますが、効果が切れると激しい疲労感、憂鬱感に襲われます。繰り返し使用するうちに、中枢神経に異常をきたし、幻覚や妄想におびやかされます。また頬がこけ、歯が抜け落ちるなど、身体的影響も大きく、大量に摂取すると死に至る場合もあります。最近では、吸入型の乱用もみられますが、危険性は静脈注射と大差がありません。

 

あへん系麻薬(ヘロインなど)

あへん・ヘロイン

あへんは麻薬の原料で、ヘロインはあへんから作られます。ヘロインは心身への影響が非常に強いので、医学的な使用も禁止されています。静脈注射によって摂取し、中枢神経を抑制し、落ちついた気分と多幸感を味わいます。しかし、乱用を中断すると、悪寒や嘔吐などの強烈な禁断症状に苦しみ、多量摂取によって呼吸困難、昏睡の後、死に至ります。

 

 

コカイン

コカイン

粉末結晶状のものを主に鼻から直接吸引します。覚醒剤と同じように興奮作用があり、作用が迅速で強烈な分、毒性も強く、大量摂取の結果、けいれん、呼吸困難から死に至る事故も少なくありません。特にアメリカでは、”クラック”と呼ばれる吸煙用コカインが大変な猛威を奮っており、世界的に大きな問題となっています。

 

 

LSD

LSD

わずかな量でも異常感をきたす幻覚剤です。色彩感覚が変化し、幻聴が起こり、空間が歪んだり、すべての感覚・精神に異常をきたします。

 

 

2C-B

2C-B

LSDよりはるかに強い幻覚作用があり、MDMAのの5倍程度、メスカリンの35倍程度の幻覚作用がある。医療用途はありませんので使用はすべて罰せられます。

 

 

 

 

 

MDMA

MDMA(メチレンジオキツメタアンフェタミン)

MDMAは医薬品合成用の原料物質として1900年代初期に開発され、特許が取られました。MDMAは化学構造が、興奮剤アンフェタミンと幻覚剤のメスカリンに類似しています。MDMAは興奮剤と幻覚剤の両方の効果を持っています。

 

 

有機溶剤

シンナー

ビニール袋やびんに入れ、気化したものを吸入します。急激な酩酊状態となり、大量摂取で呼吸困難から死に至ります。依存性も強く、情緒不安定、無気力、精神異常などを起こします。脳が縮む、手足が痺れる、視力障害の他、成長期の少年にあっては、骨や筋肉の発育を阻害し、体重を激減させます。

 

 

大麻(マリファナ)大麻(マリファナ)

大麻草の葉を乾燥させたものを、吸煙によって摂取します。感覚が異常になり、わけのわからない興奮状態に陥ります。乱用によって幻覚や妄想が現れ、精神に異常をきたします。また、無動機症候群といって、毎日ゴロゴロして何もやる気のない状態になることもあります。また、生殖器に支障をきたし、不妊、染色体の異常が見られます。

 

 

向精神薬(睡眠剤・抗不安定剤など)

向精神薬

向精神薬は、中枢神経に作用して精神の機能に影響を及ぼす薬で、具体的には睡眠薬や精神安定剤、末梢興奮薬などをいう。

 

 

 

 

 

 

 

マジックマッシュルーム

マジックマッシュルーム

平成14年6月6日から麻薬成分であるサイロシビン、サイロシンを含有する幻覚性を有するきのこ類(いわゆる「マジックマッシュルーム」)が、麻薬原料植物として指定されたことにより、「麻薬及び向精神薬取締法」に基づきその栽培が禁止されるほか、麻薬として、輸出入、製造、譲渡、譲受、所持、使用、広告が禁止され、これらを不正に行った者に対しては、懲役刑を含む罰則が科せられます。


出典【(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター:薬物乱用防止マニュアルQ&A麻薬・覚せい剤・大麻・シンナーの乱用をなくそう。「ダメ。ゼッタイ。」】