●市販のお薬

●薬の主作用・副作用

病気を治したり、症状を軽くしたりする、薬本来の目的の働きのことを「主作用」といいます。また、薬が原因で、顔や体にブツブツができたり、胃が痛くなるなど、薬本来の目的以外の好ましくない働きのことを「副作用」といいます。OTC医薬品は、本来安全性の高い成分が使用されており、特殊な例をのぞき、強い副作用が出るものではありません。

●薬の働きによる副作用

例えば頭痛薬は「解熱鎮痛」が主作用ですが、胃粘液の分泌を抑えるため、「胃・十二指腸の炎症」が副作用として現れることがあります。同様に、かぜ薬や鼻炎薬などに配合されている抗ヒスタミン薬は、「鼻炎を抑え、鼻水を止める」主作用に対し、神経の伝達を抑えるため、「眠気、倦怠感、口の渇き」などの副作用があります。

●本人の免疫異常による副作用

外部から侵入した「外敵や異物」から体を防御する「免疫」機能がありますが、それが正しく働かないためにアレルギー症状が起こります。アレルギーといえば、卵や牛乳、小麦、そば、エビ、カニなどが有名ですが、あらゆる物質がアレルギーの原因(アレルゲン)になり、ひどいときにはショック症状を起こすこともあります。薬も例外ではなく、アレルギー性の副作用が起こります。食べ物や薬に問題がなくても、体が「異物」と誤認し、薬疹やかぶれなどを引き起こします。ごくまれですが、重い皮膚症状を起こすこともあります。

●副作用を防ぐためには

薬の本来の作用(主作用)と副作用は、どちらも本来薬が持っている性質ですから、副作用のまったくない薬はありません。必要以上に副作用を心配する必要はありませんが、説明書をよく読み用法・用量を正しく守ることが、副作用を防ぐうえで大切なことです。薬局で薬を購入する際に、その薬にはどんな副作用があるのか、自分の体質にあっているかなど、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

●アレルギー体質の人

アレルギー体質の人は、薬に対して過敏な反応が出やすいので要注意です。薬を購入する際には、どんなものに対してアレルギーがあるのかなどを伝え、薬剤師や登録販売者に薬のチェックをしてもらいましょう。

●持病を持っている人

持病があり、購入する薬のほかに飲んでいる薬がある人は、薬によって症状が悪化したり、思わぬ副作用が現れたりする可能性があります。現在治療中の病気がある場合などは、薬剤師や登録販売者にくわしく伝えましょう。

●車の運転や危険な作業をする人

薬によっては、眠気や倦怠感、めまい、脱力感などが現れる場合があります。高所での危険な作業をする人や、車の運転をする人は、購入前に薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

●注意したい薬の飲み合わせ、食べ合わせ

薬と薬、薬と飲み物や食べ物との組み合わせによっては、効果が弱まったり、強まったり、副作用が強く出たりすることがあります。薬に添付されている説明書には、一緒に飲んではいけない薬などについて記載されていますので、忘れずに確認しましょう。

▼医療用医薬品+OTC医薬品

病院から薬をもらっている方は、市販の頭痛薬やかぜ薬などを利用する場合、あらかじめ医師・薬剤師に相談してください。また、購入するときに商品の説明書を見るか、薬剤師に確認してください。

▼OTC医薬品+OTC医薬品

かぜ薬と乗り物酔い薬など、同じ枠内にあるOTC医薬品どうしも、同じ理由で飲み合わせには気をつける必要があります。特に、総合かぜ薬は解熱鎮痛薬と鼻炎薬、せき止め薬を合わせた薬ですので、それらの併用は成分が重複してしまいます。
薬を変えるときの間隔は、前の薬を続けて服用するときの間隔と同じです。かぜ薬から、せき止め薬を事例にとれば、かぜ薬が1日3回の場合は4時間以上、1日2回の場合は、6~8時間以上空けてから、せき止め薬を服用できることになります。

(便秘薬と胃腸薬)
便秘薬には、腸まで溶解せずに運ばれるように工夫している錠剤が少なくありません。
胃腸薬の中には、一緒に飲むと便秘薬が早く溶けてしまい、効果が出なかったり、吐き気や胃痛などの副作用を一時的に起こすものがあります。
胃腸薬を服用したときは、便秘薬との服用間隔を1時間以上空けるようにしましょう。

▼OTC医薬品+食品

(便秘薬と牛乳、乳製品)
ふだん胃の中は強い酸性で、大腸は中性です。ビサコジルを主成分とする便秘薬(腸溶錠)は、中性になると溶けるように作られています。
食後は、食べ物で胃酸が薄まって中性にかたよっているため飲んではいけません。胃で溶けてむかつきの原因となることがあります。就寝前などの空腹時に飲むようにしてください。
同様に、牛乳と一緒に飲むと胃で溶けることがあります。
また、ヨーグルトなどの乳製品には整腸作用があるものが多く、お通じもよくするといわれていますが、牛乳同様、便秘薬と一緒にとるのは避けましょう。乳製品を食べるときは、効果が出なかったり、副作用の原因となりますので、便秘薬の服用前後は1時間以上空けてください。

●薬と子ども

大人と比べ、小児・乳幼児は抵抗力が弱く、薬の吸収や代謝、排泄能力も未熟なため、薬の使用には、大人よりも慎重な扱いが必要となります。

●子どもには、子どもに使用が認められている薬を

子どもには使用が禁止されている成分があります。
ですから、子どもに量を調節して大人用の薬を与えるようなことは絶対に避け、必ず子どもへの使用が認められている薬を使用するようにしましょう。
副作用が現れても、小さな子どもの場合は自分で訴えることができません。
保護者は薬を使用した後、こまめに様子をみるようにしてください。

●子どもが誤って薬を大量に飲んでしまったら

もし、薬を大量に飲むなど誤飲してしまったときは、病院に連れて行くか、意識がなければすぐに救急車を呼んでください。
判断に迷うときは、応急処置などを教えてくれる「中毒110番」に相談するとよいでしょう。薬の保管には十分注意し、食品などがあるところや、子どもの手の届くところに保管するのは避けましょう。

●高齢者と薬

高齢になると、内臓の機能が低下して薬の代謝分解が遅くなるため、薬の作用が強く現れるおそれがあります。
慢性の病気や複数の病気を抱えて、多種類の薬を使用しているケースも増えてきます。
嚥下機能(飲み込む力)が落ちたり、認知症などで薬の管理などが難しくなる人もいらっしゃいますので、家族など、周囲の人の配慮が必要な場合があります。

●薬の購入・使用時の注意

薬を購入するときは、現在使用している薬(OTC医薬品、医師に処方された薬)を必ず薬剤師などに伝えましょう。
「お薬手帳」を持参すると便利です。高齢者は一般成人と同じ量を使用すると、効き目が強く現れてしまう場合があります。医師、薬剤師と相談して使用しましょう。

●周囲の人も協力を

老化に伴い、嚥下機能が低下して薬を飲み込みにくくなったり、指先の力の衰えや目の老化から薬を取り出しにくくなってきます。
また、記憶力の衰えだけでなく、複数の薬を使用する機会も増え、管理が難しくなる場合もあります。
家族など周囲の人が薬の使用や管理に協力して、使用時の注意点などを医師や薬剤師に確認し、使用時はそばにいるようにするとよいでしょう。
また、薬管理用のケースやカレンダーなどを活用するのも効果的です。

●妊娠中、授乳中の女性と薬

妊娠中の薬の使用は、胎児への影響も考えられるので、特別な配慮が必要となります。
妊娠中の体はとてもデリケートな状態ですから、より薬の使用には注意を払いましょう。

●妊娠中に薬を購入するときは

OTC医薬品を購入する際は、必ず医師や薬剤師などに相談してから購入してください。
また、手持ちの薬を使用する際は、説明書をよく読み、妊婦に対する注意が記載されていないか、確認しましょう。

●授乳中、妊娠の可能性がある人も注意

服用した薬の成分は、わずかですが母乳にも影響が及ぶ可能性もあります。
服用については、かかりつけの医師や薬剤師などに相談しましょう。
また、妊娠しているのに気づかず薬を飲んでしまい、後々心配になる場合があります。
近い将来に、妊娠する可能性がある人は、薬の使用に際しては、医師や薬剤師などに相談しましょう。

出典:日本OTC医薬品協会

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